■R32 GTRの脚のセッティング 拡大写真
R32 GTRの脚のセッティングをしております。
脚のセッティングと言っても、いつものダンパーを分解しシムを交換して減衰力を変えるようなものではなく、車高やアライメントなどを煮詰めていく作業です。
この車両にはオーリンズの全長調整タイプが付いているので細かくセッティングする事が可能です。
まずはジャッキアップして伸び側ストロークを確認すると、前の方が後ろよりも伸びてきます。
これは4WDとは言えFRベースのGTRでは少し問題に思います。もちろん「こうしたいからこうする」という確固たる計画があれば別ですが、一般的にはリアの伸びストロークを多くとった方が良いと思います。
今回、調べていくと前より後ろにばねのプリロードが多くかかっていたため、このようになっていることが判明しました。
で、前後とも「このくらいかな?」と言うプリロードに合わせ、車高を調整してみると、きちんとリアの伸びストロークを多くする事が出来ました。
たったの10mmくらいの事ですが、これがリアのトラクション抜けを抑制してくれます。この思想を極端にしたのがヘルパースプリングですが、個人的にはリアに入れるのはあまり好きではなく、メインスプリングレートやダンパーストロークで前後のストローク比を調整する方が良いと考えています。
また少し車高が落ちすぎなのと、テスト走行してみるとアンダーステア傾向なので、フロントは元より5mmアップ、リア車高は10mmアップとしました。
またアッパーマウントはノーマルのようなゴムを使うタイプなのですが、スプリングの動きに対しショックアブソーバーの動きが遅れたり追従しないため、今回のようにバネレートが高くなっている場合はピロアッパーの方が望ましいと思います。
とは言え、今回の任務は現状の脚での合わせこみなので、最適解を見つけるべくプリロードや車高を合わせていきました。
後はアライメントを調整し、最終調整を行い終了です。