■リア用2ピースローターと3ピースローターの違い 拡大写真
お客さまより、リア用2ピースローターと3ピースローターの違いについてご質問をいただきましたので、こちらのブログにてご説明します。
リア用ブレーキローターで2ピースと3ピースが存在するのは、デッキ製の場合は駐車ブレーキにドラムブレーキが用いられている車両のみとなります。
GTRやフェアレディーZ、BMW M4、GRヤリスと言ったところが最近の主力車種です。
FD3SやS2000、アルピーヌA110といった、リアキャリパーに駐車ブレーキシステムが組み込まれている場合は、2ピースのみとなります。
2ピースは主たる構成部品が「ローター」と「ベルハウジング」のタイプ、構成部品が2点なので2ピースとよんでいます。
3ピースは「ローター」と「ベルハウジング」に加え、「ドラムリング」と言う駐車ドラムブレーキのシューが当たる部分の部品を組み合わせたものになります。
この写真のパーツですね。
通常フロントに使う2ピースローターは、ベルハウジング部を軽量化のため鉄ではなくジュラルミンにて製作します。
ジュラルミンは鉄に比べ強度は落ちますが、面積比の重量では1/3のため、同程度の強度を確保した場合は鉄より軽くすることが可能だからです。
自動車部品は同じ性能なら軽ければ軽い方が良いとデッキでは考えています。
しかし、パーキングドラムのシューあたり部分をジュラルミンとしてしまうと、シューの方が強い素材の事が多いため、シューではなくドラムが減ってしまう可能性があります。
ドラムが減ってしまうのはベルハウジングが減ってしまう事となるため、最悪はベルハウジングが破断しローターが分離してしまい危険なので、ドラムシューとの接触部分はスチールもしくはシューよりも高強度の素材とする必要があります。
ベルハウジングをすべて鉄とするのが簡単で、R35GTRのリアなどはベルハウジング全部が鉄製ですが、そうなるとベルハウジング部分が重くなるため、なんとか軽く出来ないか?と考えられたのが「3ピース構造」です。
フロント用2ピースローター同様にベルハウジングはジュラルミンとし軽量化を図り、シューの接触部分のみスチールとする事で、軽さと駐車ブレーキによる弊害を最小限としています。
結果、2ピースローターに写真のドラムリングが組み合わさるため「3ピースローター」とよんでいます。
GRヤリス用リアビックローター330mmで比較しますと、2ピースに対し3ピースタイプは約600g軽量化となっております。
この600gの軽量化が不要であれば、2ピース スチールベルハウジングタイプで良いという事になりますね。
また3ピースはジュラルミンベルハウジングとなるため、もしフロントをデッキ製キットとした場合、前後でローター部分の見た目が同じになると言うメリットもあります。
見た目も気にしないという事でしたら、2ピースの方が良いと言えます。
■リア用2ピースローターと3ピースローターの違い 拡大写真
リア用2ピースローターの断面です。
図の左側の部分がシュー接触部分になります。
リア用2ピースローターの断面です。
図の左側の部分がシュー接触部分になります。
■リア用2ピースローターと3ピースローターの違い 拡大写真
リア用3ピースローターの断面です。
シュー接触部に、ドラムリングと言う部品が追加になっているのが分かっていただけると思います。
リア用3ピースローターの断面です。
シュー接触部に、ドラムリングと言う部品が追加になっているのが分かっていただけると思います。