お客様からペダルフィールについてのお問い合わせをいただき、これは皆さんの知識としてお役に立つのでは?と考えたのでブログに転用します。
・ご質問
キャリパーのピストン面積の増加による初期タッチの悪化です。
純正の4potキャリパーが確か36mmか38mm径なので、約40.7か45.3cm2です。(必要であればちゃんと測ります)
CP9660は調べたところ50.1cm2とのことですが、この差はタッチに大きく影響出るでしょうか?
もしくは実用上気にならないレベルでしょうか?
所謂、怖いフワフワ感が出なければいいなと思っています。
・回答
ペダルタッチの件ですが、
結論から言えば向上します。
ただ、ローターとパッドの慣らしが終わらない状態や、
極低温時にストリート走行を行う場合はペダルのふかつきは起きます。
ただ、怖いふかつきではなく、
ノーマルより少しだけストロークが増えるかな?と言った感じです。
もちろん、ノーマルでもパッド交換の際はふかつきますので、
同じと言えば同じかもしれません。
ピストン面積が増えている事で、
理屈としてはペダルストロークは増えるのですが、
以前ちらりとお話ししましたが、
4POTより6POTの方が個々のピストン径が小さく、
ペダルを踏んだ際には早くピストンが動きます。
ここで面積が大きい分ストロークが必要なのは同じなのでは?
と言う疑問が出てきますが、
異径ピストンの場合すべて同時にピストンが動くわけではなく、
小さなピストンから動き始めブレーキをかけていきますから、
少ないペダルストロークから効き始めるのです。
乱暴に言うと、少ない踏力の場合は、
2POTや4POTで制動している事になります。
次に少し強く踏んだとすると、
油量が増えストロークは増しますが、
そもそもブレーキ交換によって効きが向上しているので強く踏む事も無く、
キャリパーの剛性がAPの方が高いため、
開き量が少なくなり現実としてペダルストロークは減ってきます。
キャリパーがどこまででも開くとしたら、
ブレーキペダルをいくら踏み込んでもブレーキは利きませんよね。
さらに熱が加わると純正キャリパーは素材そのものの特性で、
柔らかくなってしまい、さらに開くようになりますが、
APのキャリパーはそれが少ないので、実質のペダルストロークはさらに減るという事になります。