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2020年04月29日
DECK車高調制作記 ND5RC ROADSTER 記事詳細
DECKのデモカーとしては、久しぶりのマツダ、そしてFR車両となる「ND5RC ロードスター」です。
個人的に大好きな車で、NA,NB型を個人所有していた事もありますので、NDが納車されるのは本当に楽しみでした。
待ちに待って納車された新型ロードスターは、周囲の下馬評のとおり優秀な車でした。が、残念ながら、自分がロードスターに要求している部分に関しては今一つでした。

私がロードスターに要求しているのは、ライトウエイトスポーツとして唯一の存在と言う事なのですが、ノーマルは、軽さやコンパクトさは伝わってきますが、正直スポーツ「していない」のです。
特にハンドルを軽くソーイングしても、左右にぺたぺたロールが進むだけで、ノーズが向きを変えない乗用車的なハンドリングは、絶対に受け入れがたいものでした。
また、今の車らしく優等生的なまとまりをしていますが、「唯一の存在」と言う感じはあまりせず「ただ小さくて軽いオープンカー」というキャラクターなのは改善したいポイントでした。

ノーマル車両のインプレッションを終え、足回りの改善点としてピックアップされたのは下記のとおりです。

・コーナリング速度があまり速くない。
正直、車両は重くても、太いタイヤを使用したスポーツカーよりも、コーナリングスピードが速くありません。特にライバルのS660の方が明らかに速いのです。ロードスターは、スピードにとらわれないスポーツカーですが、やはりライバルに負けない速さは必要だと思います。

・ステアリングの反応が今一つ。
普通の乗用車のように、こぶし1個分位をソーイングしても、ノーズが向きを変えないのは、スポーツカーではないと思うのです。

・特別感の少なさ。
この車じゃないと駄目なんだ!と言うような特別感が乏しいように感じます。人によって様々でしょうが、NA型が一番多く持っていて、NB型になって少し減って、NC型で少し増えたような気がします。他の車で代用できないような雰囲気、においが欲しいのです。私としては切れ味の鋭い乗り味として特別感を増していきたいと思います。

・高速走行で振られる。
高速道路のわだちや一般道のギャップで「ふらふら」するのです。もっとビシッと走ってほしいと感じました。デモカーとして買ったのは、リアスタビライザーが付かないベースグレードでしたが、リアスタビライザーを装着しただけでこの部分はかなり改善しましたから、ベースグレードオーナーの方でふらふらすると感じておられるのでしたら、リアスタビライザーの装着をお勧めします。

これらの不満点は、ND型ロードスターが高性能なため目立つとも言えますので、ND型の良さは失わないように心がけチューニングをスタートしました。
ロードスターセッティング 初期段階

まず、ノーマルダンパー、ノーマルスプリング、バンプストッパーそれぞれの固さを、他車のセッティング開始と同様に測定しました。すると現代車らしくバネレート、ダンパーの減衰力は低く、バンプストッパーが固めでした。バンプストッパーはとても優秀な特性で正直ビックリしましたが、ある程度乗り心地を犠牲にできるチューニング車両の場合、バンプストッパーはマイナスに作用する事もありますから、正攻法でバネレートを上げ、ダンパーを利かすセッティングを進行する事にしました。

改善要求項目の中で最も気になったのがハンドルのだるさでしたので、ダンパーセッティングはソコソコに、スパッとステアするようになるまで、スプリングを固めたところ、フロント7kで良い感じを得られたので、フロントは7kとし、リアはNAロードスターでよくあるマイナス2kの5kとしました。

この状態で試運転すると、特にアンダーオーバーも出ず悪くないため、車の上下方向の動きを抑えるためにダンパーをチューニングを開始。ちょっと特殊な感じの減衰力になりましたが、まあまあの状態になったと思っていたら「ホットバージョン」の撮影に参加できる事となりました。
ホットバージョンは、土屋圭市さん、谷口選手や織戸選手と言ったトップドライバーがキャスターを務めているビデオですが、正直、これだけのドライバーに同時テストしてもらう機会は、このビデオに参加するしかないので、セットアップは決まりきっていませんでしたが参加する事にしました。

しかし、結果は惨敗…。
雨の群馬サイクルスポーツセンター、そしてLSDの選択ミスもありましたが、群サイをロードスターで安心して走る事は出来ない状態だと言う事を痛感しました。

そんな状態でも、セットアップの方向性を確認するために何度も走ってくれた「谷口信輝」選手には頭が下がる思いです。
ロードスターセッティング 熟成期

ダンパーの減衰力、バネレート共に高かった事を確認できたので、フロントスプリングはハンドリングを維持するために変更をせず、リアスプリングを4kに落とし、ダンパーの減衰力も下げる事にしました。少し車としては動きが大きくなってしまいましたが、「雨の群サイ」と同じような走行条件は日常でもあるために、雨の日でも安心して走る事が出来る車を目指し、走行テストを繰り返しながら、ダンパーのスペックを煮詰めていきました。

同時に、LSDをよりマイルドな効きを得るために、クスコ製RSタイプからMZタイプに変更し、雨の日のハイスピード走行ではネガティブとなる、過剰なリアトーコントロールを抑制するために、リアのブッシュの一部をピロボールとしました。

また、アライメントもノーマル+αから大きく変更し、よりリアの動きを分かりやすくする努力をしました。

これらの変更をしていると、幸運な事にホットバージョンの撮影に再度参加できる事になりましたので、再度、群馬サイクルスポーツセンターへと伺いました。
結果は、DVDをご覧になっていただくとして、大幅なスタビリティーの向上と、乗りやすさの向上、そしてタイムも伸びていました。

前回は雨、今回は晴れと言う差はありましたが、確実にNDロードスターのセットアップの方向を見据える事が出来、本当に有意義なテスト(DVD撮影)となりました。

この時も、データー収集に谷口信輝選手が本当に親身になってくれ助かりました。
ダンパーチューニング 第3世代

2回の群馬サイクルスポーツセンターにおけるテストに加え、私によるサーキット走行、峠道、一般道の走行を経て、フロントの減衰力不足、リアの伸び側の過減衰がはっきりしてきましたので、前後のダンパーチューニングを見直しました。

仮想「群サイ」なる場所も見つけ、それらを含めテスト走行を行い、減衰変更を重ね、ようやく前記の変更要求を満たすダンパーキットにたどり着く事が出来たと自負しています。

是非、ロードスターを愛する皆様、DECKの車高調整ダンパーキットをお試しください。

ND5RCロードスター用 EXACT全長調整ダンパーキット
フルキット1台分:430000円
(ダンパー、ハイパコスプリング、ピロアッパー、スプリングシートのセット)

ダンパーのみ1台分:320000円
(装着には別途ピロアッパー、スプリングが必要です。お好みのメーカーをお使いください)
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