この仕事をやっていてよかったと思うのは、馴染みのお客さんから色々な車を乗せてもらえることです。
とは言え、乗せてもらったからには、確実に純正を超えるパーツを作らなければいけず、仕事に対するプレッシャーは高まります。
そうは思いつつも、このようなスーパースポーツはドアをまたいだ瞬間にアドレナリン全開で、プレッシャーよりも楽しさが上回ってしまいますけど(笑)
最近のフェラーリはハンドルに色々なスイッチが付いていて、乗り込んだ瞬間から「この車は違うぞ感」が漂います。
そんなスパルタンな特別感に浸りつつエンジンを始動すると、そこはまさにエクスタシーの世界で、走り出さなくてもえもいわれぬ満足感に包まれます。
が、せっかくの貴重なチャンスなので当然走らせることにします。
走り出すと、確かに硬さは感じますが、昔のスポーツカーのようなバッタンバタンとした感じではなく、しなやかさも確保されていて、普通に街乗り出来てしまいます。
ただ、それらは柔らかなスプリングと優秀なバンプストップ、そしてトラクションコントロールのなせる業で、その証拠に電子制御を切るとリアのインリフトが目立つようになります。
そこはスポーツカーと割り切るなら少し残念なところですが、多くのオーナーさんがこのノーマルのような乗り味を求めるような気はします。
エンジンパワーは言うまでもなく凄まじく、全開にするのは恐怖を感じてしまうくらいです。正直30%ダウンでも十分すぎます…。
もし日本の道路が速度無制限になって、欧米のようにマナーが上がれば、やっぱりこういった車は最速の移動手段として便利なアイテムになると思いました。